
今週は現場での仕事はなく、彫刻文字のデータ作成と文字彫刻やお客様との商談がメインとなっている為、私は工場での修行です。
今日は大口径の切削機を使って、2枚組芝台の底面の切削をしました。
画像の様に底面は割れ肌で凸凹しています。昔のお墓はなるべく手間は省くという事を考えて見えない部分は切削や研磨などを省くことが多かったのです。
今回は練習も兼ねてこれを切削して、全体を研磨し直します。
実はこちらのお墓は、永代墓を建てられたために撤去させて頂き持ち帰ったお墓なのですが、私の練習の為に使用させていただいております。因みに総大島石です。
・切削の練習
・研磨の練習と、芝台等泥水や水垢の染みついた汚れなど、再研磨でどの程度まで綺麗になるのかの確認
以上の事を目的としています。

60インチ大のダイヤモンド刃で切削していきます。
水平と刃の通りが真っすぐかを確認して、刃の降りる間隔、台の動くスピードを設定してスタートします。慣れないので最初の設定だけで数十分かかってしまいます・・・。
もの凄い轟音と水しぶきで迫力満点です。
少なくとも私の生まれた頃にはすでにあって、小さなころは常に活躍していた代物ですが、まだまだ現役でイケます。
業界でも最近は中国での加工がメインとなっている為、この様な設備を持っていない石材店や既に手放している石材店、あるけどもう動かないよという石材店も多いのではないでしょうか。自社は業界の中では比較的中国加工に移行するのが遅く、韓国や中国の石材も原石で輸入、加工を10年近く前まで行っていたため、この様な設備もまだ現役で使えるのかもしれません。
自社での加工がまだまだ可能である事、
自分にとっては本当にありがたい話です。
早く一人前になって手作り墓石を再スタートさせるという思いを成し遂げたいと思います。

この一面の切削で約1時間要します。
こういった初期の切削の精度が低いと、水平、直角が出ません。
その為、いざ各部材を積み上げた時に真っすぐに立たなくなるため、調整をする必要が出てきてしまい、各部材の目地も広くなってしまう為あまり見た目的にもよくなくなります。
基礎となる部分が精度が悪いと後々で修復できないことになります。
当たり前のことを、一つ一つ、丁寧に、着実に行っていく事が重要です。
